アルコールの分解などを検証

1976(昭和51)年以降、アルコール性肝硬変患者が肝癌を合併する比率は増加しています。
1990(平成2)年には40%を越えてきています。
これを肝硬変だけに絞ってみましょう。
<アルコール単独で肝硬変になった患者>と<アルコール+C型肝炎ウイルスが原因で肝硬変になった患者>の比率は50%と同じ比率でした。
これを肝癌を併発した場合に絞ってみると興味深い数値になります。
<アルコール+C型肝炎ウイルスが原因で肝硬変になった患者>は約60%で、<アルコール単独で肝硬変になった患者>は約30%です。
2倍もの差がでてきています。
このデータを見る限りでは日本の肝癌の発生はC型肝炎ウイルスの影響が髙いと見られます。
日本酒に換算してみましょう。
毎日5合以上の晩酌を10年以上続けている「大酒家」であっても、アルコール単独の原因で肝硬変になる確率は20%になります。
お酒が好きな人たちは、この結果を聞いて胸をなでおろしているでしょう。
しかし肝硬変になったら合併症が起こるので長生きは期待できません。
「一体どの程度のアルコールを摂取したら肝臓に悪影響があるのか?」
愛飲家にはとても関心があるでしょう。
――では、肝障害と飲酒量についての関係性を説明しましょう。
その前に言葉の説明をしておきたいと思います。
肝臓専門のドクターはアルコール性肝障害の患者を診察する場合に<常習飲酒家>とか<大酒家>という言い方をします。
これらの言葉の定義をしておきましょう。
【常習飲酒家】

日本酒に換算した場合に1日平均3合以上飲む人のこと。
【大酒家】

日本酒に換算した場合に1日平均5合以上、5日以上に渡って継続的に飲む習慣がある人のこと。
・日本酒1合
・ビール大瓶1本
・ウイスキーダブル1杯
これらは純アルコール量で約22グラムに相当します。
アルコールの1単位としているのです。
肝臓で処理してアルコールを分解する場合には約2時間から3時間必要です。